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【83】Re:B u r n M y D r e a d
 志乃 E-MAIL  - 07/8/31(金) 22:38 -
  
警察に保護された後。
オレは親父の家に引き取られた

親父の家に住むようになってから弟と過す時間が短くなった。
この訳の分からない意味不明な力は父親譲りらしく、
しかも修行次第では頭領になれると言われた(阿呆か)修行なんて馬鹿らしくてくだらなくてサボった。
弟と遊ぼうと部屋に行くと蛻の殻、親父の部屋に駆け込めば小さな動物用の檻に入れられた弟がいた(しかも眠ってやがる)
どうやら人質らしく、俺はこの家にいる間親父の命令を全て聞き入れなくてはならなくなった。『お前に自由などある筈無いだろう』と、偉そうに言った奴に俺は
くたばれ、と吐き捨てた。

とりあえず西洋・東洋は一通り習った。
どれもこれも単純過ぎて修行じゃなくて幼稚園で習うようなお遊戯程度のものだった
半年ぐらい経った頃、屋敷にいる連中は俺の事を『次期頭領』なんて言い始めた。最初は目にも入れなかったくせに、何て軽い奴等なんだろうと吐き気がした。
たかが七つの餓鬼に堅苦しい。阿呆くせぇ。テメェ等全員地獄に落ちろ。


「お兄ちゃん」


しもんはいつも擦り傷を作っていた。
普通に歩いているのに、何もない所でよく転ぶ。他の連中は『可愛い』なんてほざいてるが(いや確かに可愛いけど)
その原因を知っている俺は自分の無力さを嘆いた。
屋敷には結界が張られているのに、年代物の所為かたまに小さな綻びから低脳な奴等が侵入してくる(デカいのは見た事が無い)
ソイツ等は好き好んでしもんに近寄って足を引っ張り、転ばす。
攻撃系は申し分ないのに、防御系は何故か巧く出来なかった。
もっともっともっと、強くなって。速く速く速く、強くなって。しもんをしもんだけを、護れる様になりたいと祈った(他の連中なんざ知るか)
(勝手にくたばれば良い)あぁ、速く自由に成りたい。その時はすぐに訪れた。


「もう好きにしていいぞ」


高校の入学式から帰ると呼び出しを食らい、わざわざ部屋に行ってやると唐突にそんな
事を言われた。断る理由なんて皆無。


「今まで世話になった」


さっさとこんな部屋を出てしもんを迎えに行こう踵を返し、損ねる。偉そうな豚野郎が
正座している。んな事は見りゃ分かる。その隣に居るのは、


「何で此処に 森利(シンリ)が居るんだよ」
「条件があるんだ、森羅(シンラ)」
(会話のキャッチボールぐらいしようぜ、父親)


親父に寄りかかるように眠っている弟はは微動だにしない
どうせまた薬でも嗅がされたんだろうな なんて親だ 後遺症が残ったらどうしてくれる
檜で出来たテーブルの上に、紙が一枚置かれる。
小さな文字が並んでいて今の位置からは内容まで分からない。確実なのは、それがとても嫌な予感のする代物だと言う事。


「何だよ、これ」
「契約書だ」
「何の」
「お前の力を失うのは惜しい」
「知ったこっちゃねー」
「だがこっちの子供は必要無い」
「殺すぞ。」
「契約を結ぶのであれば、これはお前にやろう」
「とことん糞野郎だな。反吐が出る」
「お前にも同じ血は流れている」
(、だろうな)


利用出来る物は何でも利用する。拒否された場合、強制的に捻じ伏せる。
その事には大いに同意する。
まさか、自分がその立場に立たされるとは思ってもみなかったが(予想は、してたな)
契約書の内容は至ってシンプル。何か依頼や非常時が起きた場合、全てを投げ捨てただちに処理。
それだけ、たったそれだけの事に森利を巻き込みやがって。
もうコイツ殺した方が世界平和に繋がるんじゃないか?オレの能力は親父より強いし、
でもまだ未成年である自分には保護者が必要。
今はまだ飼われていよう。ぐったりしている森利を抱きかかえて、やっと部屋を後にする。


「飼い狗に手ぇ噛まれないよう気をつけろよ」
「その時は子犬を目の前で潰してやるさ」
(生きた侭捻じ切ったら面白いだろうな)


このまま


「兄さん、起きてよ。遅刻するよ」
「昨日遅かったんだから寝かせてくれよ」
「遅くまでゲームやってるからだよ」
「ラスボス倒さないと気になって眠れないんだよ」
「だからってオレのベッドでわざわざ来ないでよ」
「一人じゃ寂しくて眠れない」
「病院行けば」
( 冷 た い )


寝起きの悪い俺は毎朝森利に起こされて朝を迎える。
携帯のアラームを使ったり目覚まし時計を五個ぐらい常備しているのだが、何故か鳴らない。
と言うか鳴る前に破壊されている。不思議だ。携帯だけは無事だから尚更不思議だ。ベッドの上で背伸びをしているとピンクのフリフリエプロン(オレがやった)を付け呆れた顔でこっちを見ている森利と目があった。


「おはよ」
「・・・・・いい加減時計壊すのやめてよ」
「俺がやったのか?」
「動画で撮ってるから見る?」
「いや、」


ふるふる首を振って拒否ればポケットから携帯を取り出していた森利は『そぉ?』と
残念そうに仕舞いなおした。くそ、次買うならカメラが付いてない機種にしてやる(今時そんなのあったっけ?)俺は俺で何も変わらないのに(多分)
森利は随分と、


「したたかになったよな」
「・・・・・お陰様で」


何故か目を反らされてしまった。俺何かしたっけ?


掟で弟として育ててきた『妹』は こえぇ

引用なし
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【82】B u r n M y D r e a d 志乃 07/8/31(金) 22:10
【83】Re:B u r n M y D r e a d 志乃 07/8/31(金) 22:38

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