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【147】強くてクロノTrigger まえがき Double Flags 08/8/12(火) 2:14

【189】-18- (第八章 時の最果て@古代の賢者ハッ... Double Flags 10/9/20(月) 20:15
【190】-19- (第八章 時の最果てAエレメント) Double Flags 10/9/20(月) 20:17
【191】-20- (第八章 時の最果てBグリッド) Double Flags 10/9/20(月) 20:22

【189】-18- (第八章 時の最果て@古代の賢者ハ...
 Double Flags  - 10/9/20(月) 20:15 -
  
「確かに私たちはそのエネルギーの嵐が起きた原因について調べてその原因をつぶしていけばのね?」
 赤髪のとがった頭の少年――クロノと金髪でポニーテイルの少女――マールがプロメテドームに入るとすでに不思議なメットをしてメガネをかけた少女――ルッカによって後ろにタンクを積んだ人型のロボット――ロボは全快していた。
 プロメテドームの奥には、ロボの腕力によりすでにゲートの扉が(ムリヤリ)開けられていた。
 クロノとマールによって監視者ドームでのことを話し終わった。
「デモ、おどろきでした。ソンナ事実があったソンザイしていたトハ」
「ロボは知らされていないのね」
「ハイ」
「なぜかしら?」
「必要ない、ということか?」
「う〜ん、でも、やっぱり納得いかないわね」
「どうゆうこと? ルッカ」
「う〜ん、上手く説明できないけど、なんか引っかかるのよね」
「ルッカ、とりあえず時の最果てに行こう。
 今のところ目標も決まったことだし、ここで考えていても進まないよ」
 クロノはそう言って、ドームの奥の扉の近くに歩いてく。そこにはすでに破壊された扉があった。どうも、クロノとマールが監視者ドームに行っている間に(ムリヤリ)破壊したようだ。
 たしか、プロメテドームの入り口の近くに残骸が積まれており、すでに掃除も終わっていた。初め、クロノとマールが来て、扉が(見るから)にムリヤリ開けられた様子を見て、少し非難するような目をルッカに向けると、一言「面倒だったから、壊しちゃった」といっていた事が思い出される。
 三人と一体は扉の中に入り、ルッカはゲートホルダーを掲げ、スイッチを押した。
  ウウウィウィウィウィウィウィウィイイイイイン
「いくわよ、時の最果てに」
 ルッカの声に呼応するかのように、時空の穴が開く。
 三人と一体はその流れに身を任せ、吸い込まれていく。
  グオォォォォォォン
  クォォヲオオン
  キュルウウウウ

 目が覚めると、三人と一体は、小さな部屋。柵のようなもので正方形に囲まれた場所、その部屋には三人と一体以外には、ヒト一人立てるぐらいの円の中が円柱状に上に伸びる黄色がかった白い光の柱が三本立っていた、いや立っていたというよりも存在していた。
 クロノが監視者ドームで見たことのある、空間に浮かぶ映像のように、まるでそこに映し出されているかのようにあった。クロノたちはこの存在を知っている。『光の柱』。次元の歪みが存在する場所、時代に繋がっているゲートの入り口である。
 ここは、時の最果て。
 全ての時代と近く、そして遠い場所。
 そこで三人は、石にしては感触の柔らかい、木材にしては違和感のある床に転がっていた。
 この三人が転がっているのには理由がある。ゲートは時代の違う四人分を運ぶという、不安定な中状態。次元の力場が捻じ曲がり、すべての時間に通じる、時の最果てに行き着く、そう、この不安定な状態こそが時の最果てに行くカギでなのだ。そしてこのゲート、いつもより不安定な分、ものすごく「酔う」。
 『前の周』でもそうだったが、ロボ以外三人とも「うぅぅあぁ」「はぁぁぁぁぁぁ」などとうめき声を上げている。ロボが声をかけるが、あまりかんばしくない様子である。まあ、だいたいだそっとしておいてくれというものであった。体が揺れるのも、体にさわる機敏な状況であった。
 しばらくして三人は回復に至る。
 三人とも乗り物酔いはほとんどしない。酔う酔うといわれている船に乗っていても彼らは平然としているのである。その三人がこれほどきつく感じる、いわゆる『ゲート酔い(マール命名)』。『前の周』彼らがここに来たとき、ラヴォスゲートはそれようのバケツだと思ったぐらいだ。
 バケツの上に、『ゴミ箱ではありません』と書かれた紙がなかったら勘違いしていたところだ。また、その紙を無視してやってしまったという話も聞く。
「今日はなんとか」
 少しひたいに汗がにじみ出ているのを袖で拭いてクロノは立ち上がる。
「無理してないでさっさと行くわよ」
 一番初めに回復したルッカはそんな様子のクロノを置いて奥の部屋に歩いていった。
 そのあとをマール、ロボもあえて無視して続く。

 三人と一体は奥の扉を開け、『光の柱』の部屋より少し大き目の正方形の形をした部屋に着く。
 その真ん中には灯のついた柱とともに、灯の光に当てられ、わずかに影のある老人が立っていた。しかも立ったまま「カーカー」と寝ていた。
 先頭に居たルッカがほんの2メイトルまで近づくと、老人はパチンと、器用にも立ったまま寝ていた体を少し動かし、目を擦り三人を一体を確認した。
「おや、お客さんか……。
 最近ここに訪れるものもすっかり減ったというのに懐かしい……」
「ハッシュさん! 私たちのこと覚えているんですか?」
「はて……? ずいぶん懐かしい響きじゃな。
 たしかにどこかで会ったことがあるような、懐かしい気もするが」
 ルッカの顔にどっと疲れが見えた。そこへクロノが、
「しょうがないさ、他の賢者も覚えていなかったんだから」
「それもそうよね」
 そんなルッカをみて、マールが前に出た。
「わかったわ、おじいちゃん」
「なんじゃ、お嬢ちゃん」
「私たちはラヴォスを倒したものよ」
 マールの発言に老人はその白い眉毛にかかった目を大きく開いた。
「なんと、お前さん達があのラヴォスを……、ということはあのときの……。
 いやまてまて、彼らは別のさぃ……」
「覚えているの!!」
 大きな声をだすマールに少し身じろぎながら肯く老人。
「まあ、覚えておるよ。
 しかし、あの少年達とは……。
 確かに見た目も全く同じじゃな、いや最近似て非なる存在を見るから、すっかりお前さんたちも、新しく……」
「似て非なるもの……?」
「いやいやこっちの話じゃ、それよりなんでおぬし達がここにいる? 世界を救ったのではないのか? すでにゲートが閉じられているというのに」
「それが私たちにもさっぱり」
「? 一体どういうことじゃ」
 ルッカは、今自分たちに起こってることを老人に話した。

「なるほど、だいたいわかった。
 いまお前さん達は、ラヴォスを倒したことで救ったはずの未来が、なにかしらの災厄によって再びこの星が危機に見舞われていることから、それを救いたいと……」
「まあ、だいたいそんなところね」
「そうか」
 老人ハッシュはうなる。
「お前さんたちは覚悟ができているのか」
「もちろん」
 言ったクロノの目を見る。
「確かに覚悟はあるようじゃな。
 ただ一つ……」
「?」
「ただ一つ、わしらのように星の痛みをつくったものに対してはそれなりの代償が存在する」
「代償ですか」
「そうじゃ……。
 この時間平面、いや、二周目といったほうがいいじゃろう。
 この二周目で感じたことは」
「感じたこと?」
「何か知っているの」
「いや、おぬし達は気づいているのかということじゃ。
 二周目の意味を。
 ふ〜む、そうじゃな『前の周』と比べて何か変わったことはないか?」
 ロボはこの二周目で目覚めてまだ間もないといってもいいため、なかなか難しい質問であった。
 そのため投げかけられたのは他の三人。そのなかクロノが発言した。
「敵が一部強くなっていたことか?」
「違うのお」
「『前の周』から武器を引き継いでいるって事?」
「いやいや」
「『前の周』では出会わなかったヒトに出会うようになったこととか?」
「近いのぉ」
「歴史?」
「ふむ、及第点三歩手前というところかのぉ。
 よく考えるんじゃ、時代を作り変えたお前さんたちなら分かるだろう」
「そんな事言われてもねぇ」
「まあよい、この時間平面で結末(エンディング)までに気づけばいいことじゃ」
「結末ですか」
「そう、お前さんたちがあのエネルギーの嵐の原因を探し、そしてそれを解決した後までに気づいてくれればよい。
 前の時間平面で覚悟してラヴォスを倒すという途方もなかった目的はすでに達成しておるのだからのぉ。
 自信を持って行けば良い」
「ソレデ、ハッシュサンはエネルギーノアラシの原因について、どこまで知っているのデスカ」
「さて、エネルギーの嵐の原因か。
 正直、なにが原因なのか詳しくはわからん」
「ハッシュでも……」
「しかし、結局のところお前さんたちが関わってきたことが、少しずつ複雑に絡み合っておる。
 一つのことが原因だというには難しいのではないのではないのか?」
「一つ一つ原因をつぶしていくしかないのか」
「そうなるだろうな。わしも少し考えてみよう。
 まあ、あまり参考にもならないかもしれないが、この知識を役に立てよう」
「アリガトウゴザイマス」
「なに、気にするな。ラヴォスを倒した恩人だ、悪くは扱わんよ。
 それからスペッキオの部屋に寄っていくとい……」
  ウウウィウィウィウィウィウィウィイイイイイン
「!! ゲート」
「どうやら時間の迷い子らしいのぉ、最近はめっきり時空の歪みも減ったというのに
 これも時間全体に影響を及ぼしている何かがなくなったためなのかも知れんな……」
「わたしが行きましょうか」
「いやいや、大丈夫じゃ。スペッキオの部屋に行ってるがよい」
 老人は三人と一体をスペッキオの部屋に送り出すと、光の柱の部屋からの迷い子が姿を現すのを待った。
 その姿は少年、服装は現代風、黒茶の髪色に青い目、一般的な中央大陸の血統である。
「ここは、『時の最果て』……。時間の迷い子が、行き着く所だ。
 君はどっから来なすった?」
「え、僕はパレポリから来ました」
「いつの時代が分かるか?」
「時代?」
「君が来た年代、年のことだ」
「ああ、王国暦……」

  がちゃ

 扉を開けると1匹の緑の野カエルがいた。
「ス、スペッキオ??」
 マールは思わずその野カエルに向かって言う。
「なんだ、おめーら 確かにオレ、スペッキオ。 戦の神! ん? お前ら見たことがあるぞ。
 なかなかの心の力をもっているな」
「クロノ、あれ、スペッキオなにに見える?」
「野生のカエル、かな?」
 マールに聞かれてクロノは答え、近くにいたロボをみる。
「ワタシニハ、ミドリカラーのゴンザレスにミエマスガ」
「私には、モスティに見えるけど」
「モスティ、ってガルディアの森にいる?」
「ええ、確かにモスティに」
「オレの姿、おめーの強さ。おめーが強ければ強そうに 弱ければ弱そうに見える。
 ん? おめーら、十分に力を使いこなしていないな
 そうか、表のジジイ、それでここに通したか」
「使いこなしていないって、どう言うことよ」
「にしても厄介なヤツらをもってきたな
 わかった、実戦で教えてやる、かかって来い」
 そういってスペッキオは戦闘体制に入った。
「三体一でも、四体一でもいいぞ、かかって来い。
 おめーらの持ってる心の強さ、力。ためしてやる」
「もうあの顔を見ると、何を言っても無理なようね」
 三人と一体、一様にして同じ姿ではないのだが、全員がスペッキオの姿をそう感じた。
「行くわよ、ロボ、マール、あとクロノ」
「……あ、ああ」
 なんかついでのように言われたクロノは、なんとなく、いや、なんとなくだが。
引用なし
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【190】-19- (第八章 時の最果てAエレメント)
 Double Flags  - 10/9/20(月) 20:17 -
  
 部屋の中央ではスペッキオが踊っていた。
 クロノたちは傷ついていないものの疲労の色が見える。
「どーした、もう終わりか? まだ始まったばかりだぞ」
 スペッキオの手には、淡く光る石を持っていた。
(強い……)
 クロノは今までにないほどの強さを感じた。
 最後に戦ったときとは、終始こちら側の有利に進んでいたはずだったが、いまは全く歯が立たない。
「……あれじゃ、全くの別人ね」
 疲労困憊ながらも喋るルッカ。
「使っているものは魔法じゃないし、なんなの」
 そう、スペッキオは魔法ではない、何か物の不思議な力をつかいクロノたちを圧倒したのだ。
「魔法は、完全とはいい難いが使いこなしているようだな」
 スペッキオは跳ね、踊るのをやめた。
「俺が使ってたちからは エレメント。
 名前ぐらい、聞いたことがあるだろう?」
 スペッキオの手には白い板をどこからか取り出した。
 三人と一体は顔を見合わせた。
「知らないのか。まーいい。
 エレメントを扱うにはグリッドがいる」
 ポンッ と白い板を投げ渡された。
「それがグリッド。しばらく持ってろ」
 するとクロノたちの持っていた白い板が次第に半透明になった。
「これって?」
「消えていったけど」
「それでいい。
 エレメントはだいたい白、黒、青、赤、緑、黄の六つの属性の成り立っている」
「だいたいって」
「まー、その辺は気にするな。
 ツンツン頭のおまえは『白』が強いな、他に『緑』、『黄』がやや強めだな。
 このポニーテールのギャルは『青』と『白』。
 こっちのメガネのネーちゃんは『赤』とやや『黒』が強めだな。
 ロボットのニーちゃんは『黒』。
 てな具合に、この星に存在するものには、ある程度の属性が備わっている。
 その力はあまり変わらないが、環境や性格などで強めになったり、弱くなったりする。
 それがエレメント。
 昔の者が自然を操るために作り上げた、世界の循環システムの一部。
 そして、世界を支配していた事のある力。
 魔法とは質の違うちから。
 じゃあ、身体を慣らすために今回も、『エレメントが使いたい〜』と念じながら、ドアの所からはじめて
 この部屋の柵に沿って、時計回りに3回まわる!
 あんまり回りすぎてバターにならないよう、気をつけろ」
 三人と一体は部屋の周りを三回回った。
 その様子をスペッキオはしっかりと確認した。
「よーし! ハニャハラヘッタミタ〜イ!!」
 スペッキオが呪文を言うと
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
 特に効果音は流れなかった。
「どーだ、新たな力わくだろ。試してみるか?」
「ええ、特になにが変わったか分からないけど」
「そうか、だったらこれ握ってみ?」
 スペッキオはこぶし小の宝石をクロノたちに渡した。
「それがエレメント、少し魔法を使う感じで力を込めてみ」
 言われたとおりに渡されたエレメントを強く握り、魔力を込めると淡く光り始めた。光り始めるとさっき渡されたグリッドが胸元辺りぐらいの宙に浮かぶ。
『おお』
 歓声が上がる、ロボ以外。
 ロボは魔法を使えなかったので、イマイチ魔力を込めるという使い方がよく分からなかったのだ。
 そんなロボをみてスペッキオは一言。
「おまえは、もう少しグリッドを考えながら回ってろ」
「ハイ」
 ロボは再び、一人で部屋の周りを回り始めた。
 それを見つつルッカは言った。
「これは一体どんな原理なの?」
「グリッドをよく見てみろ。エレメントが入るぐらいの穴が入っているだろ?
 そこにエレメントをはめ込んでみな」
 空中に浮かんでいるグリッドの中にエレメントをはめ込む。
  ガチ
 それはちょうど納まった。
「これでツンツン頭はこのエレメントを使うことができる
 これは魔法のように、詠唱や構成を組まなくても発動できる」
「へー、これだけでエレメントが使えるんだ」
「ちなみに他人にはこのグリッドが淡く光っているようにしか見えていない」
 スペッキオは自分のエレメントを開いた。
 すると、三人(と走っているロボ)にはほんのり薄い光が見えた。
「ただこれは意識してないと見えない。
 まあ、この光が見えたら相手がエレメントを使っていると分かるけどな。
 ツンツン頭、ためしに使ってみろ。
 声と魔力にエレメントは反応する、自分でエレメントの音を聞いてみろ」
 クロノははめたエレメントに手を添え、聞けといわれた音を聞く。
 そして一言。
  ●レーザー(白)
 一筋の光が、スペッキオの少し脇を通る。
「簡単だろ?」
 肯く。
「さてグリッドを良く見てみろ、エレメントの輝きがなくなっているだろ?
 こうなったらしばらくはエレメントは使えない」
「一発限りってこと?」
「ちがうちがう。
 当分使えない使えないだけ、エレメントは自然エネルギーを使って発動させるもの。
 一度使えばエネルギーを消費して溜めなくてはいけない。
 まあ、自然に溜まっていくからそんなに心配しなくてもいい。
 時間がたてば勝手に回復してる。特に周囲の環境が重要なんだ。
 白のエレメントなら、光。
 青のエレメントなら、水。
 赤のエレメントなら、熱源。
 黒のエレメントなら、影や高いところ。
 緑なら、植物や風。黄なら、岩やイカズチ。
 そういった要素が多いところでは回復力が高い。
 場合によるが、早くて10分、長くて1日なんてものもある。強力なものほど回復する時間は長くなる。
 まあ、でも」
  カツン
 スペッキオは器用に足を鳴らす。
「これで、エレメントは回復した。
 この空間には全ての要素がある、とっても回復しやすい。
 それとエレメントの力加減はグリッドで調整してくれ、グリッドのレベルはその穴にある横の列にいくほど高くなっている。
 グリッドにはレベルがあるから、低すぎると使えないから気をつけろ。
 エレメントを沢山使ったり、グリッドに力が蓄積されれば自然とグリッド数は多くなる
 そうそう、もう走らなくてもいいぞ」
 スペッキオはいまだ走り続けていたロボをとめた。
「使えば使うほど強くなっていくのね」
「強くなっていくというより、成長していくといったほうが正しいな」
「で、成長していく過程でエレメントの色と自分の色が関係していくのね」
「まあ、そうだな、グリッドの裏面を見てみろ。
 それがエレメントバランス。
 一番高い位置にあって強く輝いているのが、先天属性といって、もともとの属性。ほかに輝いているのはまあ、扱える程度だ。まあ、各々の属性には得手、不得手がある」
「アノ、ワタシには緑のエレメントが0%と描かれているのですが」
「それは全く扱えないってことだ。
 もしかすると、特殊な経験をして消費したり、出てきたりしたのかもしれないな、今のところはガマンしとけ」
「ソウデスカ」
 そこにマールが割って入ってきた。
「でもロボは、砂漠を緑の大地に変えたんだよ」
「よくわからないが、そのボディに蓄積されていないのかもしれないな」
「でも、納得いかないよ」
「大丈夫デス、マールサン。
 緑のエレメントガ使えナクテモ、ミナサンガ居るので十分デス。
 ソレニ経験を積メバ、可能性はアルノデショウ」
「そうだな。 
 それといい忘れたけど、グリッドにエレメントが入っていないと使えないからな。
 それに一つのグリッドにエレメントをつけたら6時間ぐらいは外せないから、気をつけろ。
 さて、長々と説明も終わったし、もう一戦するか?」
「どうするクロノ」
「ああ、でも、エレメント一つずつじゃあ、無理だな」
「おー、忘れていた。
 選別だ、もらっとけ」
 スペッキオはそれぞれ5つのエレメントをクロノたちに投げ渡した。
 そして、再びスペッキオとの戦いが始まる。
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【191】-20- (第八章 時の最果てBグリッド)
 Double Flags  - 10/9/20(月) 20:22 -
  
 やはりその光景は実にあっさりしたものであった。
 奇怪な生物が正方形の部屋の中央に立ち、周囲には焦げた何かが転がっていた。
「まだまだおれ 強い。 戦いの神」
  ”しお”
 戦いの神、スペッキオは『しお』を振り蒔いた。
 『しお』は焦げた何かを囲み、大きな柱をつくった。
 光りの放つ柱が消えると、そこからクロノ、マール、ルッカ、ロボの姿は現われた。
「少しはグリッドが成長したか?
 周囲、数十メイトル内で発動されたエレメントもグリッドは吸収する。最初の成長は早いぞ。
 また強くなったらここに来る。おめーら、オモシロイ」
  ガチャン
 三人と一体は無言でその部屋を去った。

「お〜〜い」
 いつもと同じように老人が呼んだ。
 老人は彼らの意気消沈とした様子を見ると、
「やはりスペッキオにコテンパンにされたか。まあ、代わりに新しい力を手に入れたよじゃな」
「ハイ、慣れるまで何周も部屋の中を走らサレマシタ」
「走ったの? と??」
「ええ、エレメントを身体になじませるためにロボはあの部屋を何周も回ったのよ」
「何周も、か」
「ええ」
「……なるほど、そりゃスペッキオに一杯やられたな」
「へっっ?」
 マールが呆気にとられる。
「どういうことですか??」
「たしかに、体になじませるというために回ったのは分かるが、そんなに何回も回る必要はないのじゃな」
「それじゃあ、なんのために回らしたのよ、スペッキオは」
「まあ、奴のことだから軽い暗示をかけたのじゃろ」
『暗示?』
「そう暗示だ」
「機械ノワタシニモ、暗示ガカカルノデスカ?」
「……知性があるのなら、予測と現実、そして入り込みやすい情報を組み合わせれば不可能ではないだろう」
「ソウナノデスカ」
「?……あまり納得がいっておらんようだな。あんまり深く考えることではない、それにエレメントが使えるようになったのだろう。十分な成果ではないのか?」
「ハイ」
 少し気の抜けた返事をするロボ。
「でも、エレメントなんて一体これはいつの時代のものなの? 現代では聞いたことがないわ」
「そんなことはあるまい。このエレメントははるか昔、浮遊大陸が浮かぶ理由はこのエレメントの技術を利用したもの」
「浮遊大陸をこのエレメントで??」
 小さなエレメントを握るルッカ。しかし、このエレメントが一体どれだけのが数が必要なのか想像だにできなかった。
「それは失われた技術って事か?」
「失われた? そんなことはない。お前さん達が知らないだけでエレメントは現代でも流通しておるぞ」
『ええェェェ!!』
 三人は同時に声を張り上げる。
「エレメントなんて聞いたことがないわよ、使ったことがないわ」
「それは気づかんだけじゃろ。すでに身近なものに沢山のエレメントが日常の一部として使われておる。環境が悪化したところでは十分なエネルギーが確保できないから、ほとんどがエレメントの力を失っているときもあるがのお。
 エレメントとは昔の者が自然を操るために作り上げた、世界の循環システムの一部いわば人工の兵器だ。それを世界中に広めて、人工のちからを自然と置き換えることによって世界を支配しようとしたものがはじめ作り出したものだ。だが実際は、自然のエネルギーを吸収していたりするからエレメントが野生化して失敗したという話じゃ。
 まあ現代に使われているエレメントのほとんどはグリッドの方法が失われ、エレメントから滲み出るエネルギーを使っているに過ぎないが」
「グリッドってさっきもらったこれのこと?」
 ルッカが取り出した白い板、さきほどスペッキオからもらったものだ。これがないとエレメントは発動しないといっていたしなものである。
「グリッドは別に特別なものでできているわけじゃない。
 やろうと思えば、そこらへんに落ちている石でも、木の枝でも、紙でさえもグリッドにすることができる」
 老人ハッシュは1枚の紙を取り出し、目の前で空(から)のグリッドにしてしまった。グリッドにしたのが分かったのは、老人から淡い光が滲み出ていたからだ。しかし、淡く光る長方形のグリッドは、瞬時に紙に戻り床に落ちてしまった。
「紙に戻ったけど」
「それはわしが拒否したからだ。わしにはもうグリッドがあるからな、一人一つしかグリッドは持てん」
「だったらなんでグリッドの方法をみんな忘れていったの?」
「忘れていったのではなく、認識できなくなったのじゃ。
 充分な自然の力がないところには、消費したエレメントは回復しにくい。
 回復する時間が長くなっていくに連れて、人々は他の便利なものを作り出し、やがてエレメントは人々の記憶から薄れていったのじゃ、まあ他にも理由はあるがのお。
 エレメントが認識されなければ、やがてグリッドを扱うことも忘れ、人は物質をグリッドにできるということを忘れていったのじゃよ。
 おぬしたちはここでエレメントと、グリッドについて認識できたからこそ、それらが使えるようになったのじゃ。
 エレメントが再び世の中に認識されれば、またエレメントは復活する。
 ただし、中世、現代ではエレメントを作る技術は人にはないがのお」
「じゃあ、現代にあるっていうエレメントはどこから来たの?」
「はるか、東の国じゃ、果てしなく東の、極東といわれる場所から流れ出るといわれておる」
 老人はポケットからカギを取り出す。
「さて、これがわしのグリッドじゃ。グリッドは物質。
 一度グリッドに指定したものは、絶対離れないというわけではないがどこかで繋がっている。ある種の契約みたいなものじゃ。
 もちろん、元の物質として持っておくこともできるが、自分がイメージしたものに変化することもできる。こういうことができるのも全て、世界中にエレメントが広まっているということの証なのかも知れんな。
 ほれ、おぬし達もやってみなさい」
「どんな形にもなるの?」
「生き物でなかれば、何にでも」
引用なし
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