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【28】短文No,2
 冥香  - 06/5/26(金) 12:14 -
  
 それが初めに聴いたのは声。

 うっかり傷つけて、失くしてしまうことのないよう、厳重に封印したはずの記憶を呼び覚ます、懐かしい声。

 時が……、至った?

 百年も昔に動くことをやめてしまった大きな身体を、声の主たちは苦労しながら運ぼうとしているらしい。

 目を……、開かなくては。

 自分が「開く」形状の眼を持たぬことを、それは知っていたが、そんなことは関係なかった。

 それ……いや、「彼」は、目を開いた。

 泣き笑いの顔でこちらを見ているのは、遥かな記憶と寸分違わぬ姿のままの少女。

 「お疲れさま。……遅くなって、ごめんね。……ロボ」

 震える言葉を紡ぎながら、彼女は血の通ったものにするように、彼の鋼の手を擦った。


。。。。。。
こんにちは。二本目の枝を挿しにまいりました。
自分のなかで、ロボは魔王様に次ぐ印象的なエピソードの多いキャラとなっております。
彼のお話もいっぱい書いていけたらいいなと思っておりますが、
……彼の背景にあるものの「重さ」は、魔王様のそれに匹敵するのも事実でして、それをかたちにするのは、なかなかたいへんであります;;
では、これにて。

引用なし
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【26】SSSの樹 冥香 06/5/21(日) 16:05
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【28】短文No,2 冥香 06/5/26(金) 12:14
【29】短文No,3 冥香 06/6/20(火) 9:03
【40】感想スレ REDCOW 06/8/15(火) 22:56
【41】Re:感想スレ 冥香 06/8/16(水) 13:57

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