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*3leeter*
「もぅ!!!聞いてよ、きみちゃぁ〜ん!」
あたしが甘えた声で親友のきみちゃんに言った。
“きみちゃん”っていうのは、もちろんあだ名。
木村 碧。【きむら みどり】だから、きみちゃん!!
あたしが考えたんだぁ★
きみちゃんは、高校に入ってからできた友達。
今はお互い親友同士!!!
こんなに気が合う子が見つかって、本当に嬉しいな。
「はい、はい、妃。また流晴くんとのノロケ話?」
「もぅ!!違うよぉ〜!!! サイテー朝から会っちゃって・・・
お陰で始業式遅刻しちゃったよ!!」
そうなのだ・・・あそこでぐだぐだしていたせいで、結局遅刻してしまったのだ。
始業式が終わった後、流晴と2人でセンセに説教くらってたのだ。
もーーっ!!!センセ話長いんだからぁ。
でも、掃除はしなくて済んだけど・・・
みんなが掃除しているときに怒られてたんだから。
「だぁ〜れのせいだってぇ?」
後ろから覚えのある声がする。
「あ、流晴くん、おはよ。」
きみちゃんがあいさつした。
「おー! きみちゃん、おはよっ。」
あぁ〜!!!きみちゃんって言ったぁ〜〜・・・
「ダメッ!きみちゃんって呼ばないでっ!!」
きみちゃんと流晴が、きょとんとする。
「なぁに〜? もしかして・・・ヤキモチ?」
流晴が、からかったような顔をする。
「まぁ、まぁ、ヤクなって!お前のこともちゃん付けで呼んでやるから!!」
爽やかな笑顔でそう言う。
「違う!そんなんじゃない!!
“きみちゃん”ってあたしが考えたのッ!!!
それに、純粋なきみちゃんを汚さないでッ!!!」
「あたしより、妃の方が純粋だと・・・」
きみちゃんが苦笑いで言う。
「はは〜ん・・・俺が汚れてると・・?!」
「じ・・自分の胸に聞いてみなさいよッ!」
「なぁんだと〜〜」
「おーーい!!また始まったぞー流晴と星埜のじゃれ合い〜」
クラスの男子が冷やかす。
「ちょっとーー流晴ッ!!妃ちゃんに構うんなら、あたし達も構ってェ〜〜」
うちのクラスの可愛いコ達が、甘い声を出す。
すると。
「構う、構う〜〜!!俺も混ぜてーー」
って流晴が女の子たちの所に行く。
これが普段の光景。
もーー。なんであんな奴がモテるんだろ?
しかも、流晴だって来る者拒まずの軽〜い男だし・・・
あたし、そんな人ヤダけどなぁ・・・
あたしなんかに構わないで、とっとと可愛いコたちの所に
行けばいいのに――・・・
「流晴くんがいっちゃって、寂しい?」
隣から声が聞こえた。
「え、えーー?!!なに言ってるの、きみちゃん!!!」
「流晴くんって軽く見られがちだけど、
まだ誰とも付き合ったことないんだってよ?」
「え〜?!そんな訳ないじゃんッ!!!騙されたんだよ、それ!」
「でも、本人から聞いたよ?」
「えっ!?」
許せんーーー!!!きみちゃんまで、騙すとは・・
あたしなんか、しょっちゅう騙されてるのに――・・・
あたしの好きなアップルティーに「自分家で作った」とか言って
砂糖と塩を間違えたやつ、飲ませたり。
国語の授業中、先生が言ったページと違うページ教えて、大恥かいたり。
机の中に、へびのおもちゃ入れて、あたしを脅かしたり・・・
あぁ〜あれは気持ち悪かったなぁ・・・
机に手入れたら、ニュルって感触がするんだもん。
その後、大騒ぎになったのは、言うまでもない訳で・・・・
でも一番、酷いと思ったのは
あの手紙――――・・・・
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