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*7leeter*
ぼーっとしながら家に帰った。
まだ、信じられない・・
あの、あの須藤 蓮がなんであたしなんかを―――??!
でも嘘なんかついてるようには
見えなかったし・・・
からかってもなかった。
「―――手紙」
あたしは思い出したかのように、今日もらった手紙を見た。
『放課後、お話がありますので裏庭まで来て下さい。』
そして、引き出しからもう一枚の白い封筒を取り出した。
『放課後、話したいことがあるので、教室に残っていて下さい。』
そして『お願いします。』と書かれていた。
そうこれは、前にもらった手紙。
なんだか捨てられなくて、とっといてあるんだよね。
――――あのときも、なかなか現れなくて教室でずっと待っていた。
ガラッ。
教室のドアが開いた。
最初は、緊張して立って待っていたあたしだったが、
なかなか相手が来ないので、いすに座っていた。
が、ドアが開いた途端、反射的に立ってしまった。
相手は―――・・・
「なんだ、星埜?まだいたのか?」
――――先生だった。
「・・・はい。」
あたしは肩を落として答えた。
「もう下校の時間だからな。早く帰れよ!」
「はぁ〜い」
早く帰れって言われたってなぁーー・・
んーー、早く来ないかなぁ・・
もう帰っちゃおうかな・・・
そう思っていたとき、再びドアが開いた。
誰?そう思って見ると――――
そこには―――・・・流晴がいた。
え・・・?! 流晴ッ??
「き、妃・・まだ残ってたのか?」
流晴はドアの所で動かないまま言った。
「・・・うん。ちょっと人待ってて・・」
――なんだ・・手紙の主、流晴じゃないんだ・・・
「流晴は?こんな時間にどうしたの?」
流晴って、確か部活には入ってなかったよね。
変なの、こんな時間に・・
「あ、いや、ちょっと――」
曖昧気味に答えて、あたしの方に近づいてきた。
「妃。」
「ん?」
教室にはふたりしかいない。
流晴が話さなければ、周りはものすごく静かだ。
この静けさが、なぜだかすごく緊張させる。
「・・・あの、手紙・・・・」
流晴は言いにくそうに、やっと一言話した。
手紙―――??!
あれ、流晴が書いたのッ??!!
なんで〜〜??
あたしの頭はパニック状態だった。
「妃、俺―――・・・」
流晴のちょっと低い声が響く。
あたしを見つめる流晴の瞳がまっすぐで、すごくドキドキした。
えっっ??!! 嘘でしょ?!
えぇぇぇ〜〜!!!!
「――――・・・本気にしたッ?」
は?
「もーー、妃ってば、本気にしちゃってかわいーー!!!」
????
「今時、ラブレターなんて・・あるわけないじゃんッ!!
ごめんね?期待させて・・・
もしかして、初めてだったぁ?!」
こンの男〜〜〜〜ッッ!!!!
あたしが一体、どんだけ待ったと思ってんのよッ!!!!
なのに・・
サイテーーっ!!!
ただ、あたしをからかってただけなんだ・・・
「――――せいの、流晴のばかぁぁーーーー!!!!!」
それであたし、一発殴って帰ったんだった・・・
はぁ〜。さすがにこれは酷いと思ったぁ・・
乙女のハートはボロボロですよ・・・
まったく、これで人間不信になったらどうしてくれるんだよ!
バカ流晴!!!
だから、今度の手紙もヤツだって思ったのに・・・
蓮くんから・・・なんだよね。
まだ、このことに信じられないまま、
あたしは深い眠りに落ちていくのだった。
頭の中では、なぜだか知らないが
蓮くんと・・・流晴の顔が消えずに残っていた――
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