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【77】O-本編試作改04
 REDCOW  - 08/11/12(水) 23:30 -

引用なし
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 ファンネルが射出される。
 先行したファンネルが宙を舞い、前方のドックポートの瓦礫を瞬時に破砕した。
 その後をシスターフェアレディは威風堂々、それは貴婦人が社交界デビューを果たす様な眩いシールドの輝きに包まれて宙域に出撃した。
 
 
「ははは、出たな。(全員に告ぐ。戦功を立てたい奴は俺に続け。)」
 
 
 男の声に複数の仲間の声が同意する。
 
 
「(了解。)」
「(了解。)」
「(了解。)」
「(了解。)」


「衛星軌道上に浮上します。コース設定、インパルス1から3に加速。」
「上昇確認。アーカンソー軍曹、センサー参照。」
「センサー参照。艦長、センサーが敵MSを3機捕捉。以後、これらをレッドにマーキング。3機中2機は機種不明…形状類推から1機はAT社製機体と思われます。もう一機は…AE社製…バギ・ドーガ!?あ、あの、これ、30年前の機体ですよね?」

 
 ドックではそれぞれの機体に搭乗を済ませて待機するパイロット達の姿が有った。
 

「(なぁ、グレイ。もうすぐ実戦だな。)」
「(あぁ。)」
「(…怖くないか?)」
「(はぁ?何ビビってんだよシドー。しょんべんちびるなよ。)」
「(真面目に聞けよな。ったくよぉ。)」
 
 二人の会話中に割り込みで大尉の呼掛けが入った。
 
「(全員に告ぐ。出撃命令だ。グレイ、シドー、お前達は攻撃隊として俺に続け。マーカスとワルツワンドはステルスで敵艦を索敵。良いな。)」
「(<グレイ&シドー>了解。」)」
「(<マーカス&ワルツワンド>了解。)」
 
 そこに、エリーゼ・アーカンソー軍曹がオルドーに出撃管制メッセージを告げる。
 
「(<エリーゼ>大尉、カタパルト射出後3秒遅れで主砲が10秒斉射されます。射出コントロールは大尉の判断に任せます。)」
「(援護射撃感謝する。コントロール移譲確認。)(全員に告ぐ。攻撃隊出撃3秒後に援護射撃10秒斉射。斉射中ステルスで索敵機出撃。攻撃隊の出発コントロールは俺が採る。索敵隊はマーカスに任せる。」
「(<マーカス>出撃コントロール移譲了解。)」
「全機、これより作戦行動に入る。…コントロールカウントは3。」
「(<エリーゼ>3確認。前方シールド解除。セットカウントどうぞ。)」
「カウントスタート…3、2、1…ビットストリーム、出る。)
「スピットファイア、行きます!」
「ガンハンター、出ます!」
 
 オルドーのビットストリームを先頭にグレイとシドー機が続く。
 彼らの後方から閃光が走った。アーカンソー軍曹の予告通り主砲の援護射撃が始まる。だが、その閃光の向うから反撃の光線が走った。3機は即座に回避行動をとるが、その光線はそのまま母艦への衝突コースを走った。
 
 
 ドォオオオオオオオン。
 
 
「中尉、報告。」
「前方防御プレートに被弾。損傷無し。プレート出力100%。」

 艦は前方に展開した防御プレート(前方展開した強力なビームシールド)によりダメージを受けず、何事も無かったかのようにコースを維持した。
 ミシャールマ中尉は報告後センサーを展開する。
 
「艦長、センサーは宙域に3機のレッド機影維持を確認。我が方はブルー3機が向かいます。敵母艦の姿は依然不明。我が方はブルー2機を射出し索敵に入りました。」
「中尉、引き続き母艦の探索に。本艦はブルー2機の情報を待ち待機。攻撃3機の援護に努める。」
 
 シスターフェアレディが全くの無傷であることを確認した新撰組側は、予想以上の高性能振りに色めき立った。
 
 
「(ヒジカタ、あれを見たか?)」
「(連邦にしては随分ハイスペックなシールドだな。これは他に何が付いているのか楽しみだ。トール、あれは俺の獲物だぜ?)」
「(良いだろう。俺はあの新型を頂く)」
「(…ほぅ、あんたにしては珍しい。何かあるのか?)」
「(…似ているんでな。それに、このサイバストの性能を試したい。)」
「(そうか。ま、楽しもうぜ。俺は行くぜ。)」
 
 
 サイバストと呼ばれた機体の側からバギ・ドーガが離れた。サイバストに乗るトールは前方からやって来る機影にわくわくするものを感じていた。ニュータイプだけが感じられるプレッシャーが彼を威圧する。彼はその威圧に半ば心地よさを感じているかのように笑みを浮かべると、システムをニュータイプモードに切り替えた。
 ファンネルが射出される。
 強い思念波が一点に集中する。思いを乗せたファンネルがビットストリームを狙う。
 
「(…このねっとりした思念は…)」
 
 強い思いの篭った力はオルドーの脳裏に1人の面影を映し出す。それは5年前の戦いで互いに刃を交えた男の波動だ。名前も知らぬ相手だが、感覚が確かに覚えている。それはニュータイプだからこそわかる直感だろうか。
 
 
「ハハハハ、待ちに待ったぜ、この時を。あの時を腕の差とは言わせないぜ。」
 
 
 トールはサイバストから4機のファンネルを射出し先行させた。
 
 
 ヒュン、ヒュン…
 
 
「!?(散開!)」
 
 前方の思念波が分散するのを感じた瞬間、突如あらぬ方向から光線が走る。ファンネルの襲来を感じたオルドーは散開命令を出すと、自身は反応を感じる方向へアームビームソードを起動して突進する。そこにファンネルが周囲を囲み斉射した。
 
「大尉!!」
 
 グレイとシドーは上官の危機に思わず声が出る。二人はオルドーを援護しようと接近を試みるが、そこに二機のザクサスが阻む。
 
「お前たちは俺達の獲物だ。」
「覚悟するんだな。」
 
 ザクサスに乗る敵機パイロットは余裕の笑みで新兵に対峙した。
 それを見てトールはしたり顔でアームビームソードを起動してオルドーへ迫る。
 ファンネルの直撃を受けた機体が無事でいられるはずはない。しかし、トールは用心深く留めを指さずにはいられない。だが、
 
「…前とは違うんだよ!」
 
 射止めたと思った機体は無傷でその攻撃を跳ね除けていた。
 
「フォースシールド!?」
 
 重力ビームによる空間の断裂層が作り出した360度全方位のフィールドが、ファンネルによる全方位攻撃を全て弾き返していた。フォトン(光)を透過するもエネルギー粒子はフィールドの干渉によって弾かれ、その力が小さなスパークを発して消失する。
 
 トールはファンネルを引くと、ビーム出力をソードに移転して出力を強化し突撃する。
 オルドーはその攻撃を自らのビームソードで受け止めると、歯を食いしばり集中した。

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【85】閑話休題 REDCOW 09/6/12(金) 14:34 [添付]
【86】色々と他の機体の道筋ださないと REDCOW 09/6/17(水) 1:55 [添付]

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