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現代に帰ってきた少年、少女の三人――クロノ、マール、ルッカは、リーネの鐘の前の広場で今後を話し合っていた。
「とりあえず。城でも話したように、クロノには空中刑務所に入ってもらわないといけないわね」
ルッカはベンチに腰掛けた。
「多分、アレがガルディアの森のゲートを開くカギになっているんじゃなかったかって、前に話したことがあるわよね」
マールもその隣に腰掛けた
「確かにそんなこといってたな」
「そう」
ルッカは人差し指を立てた。
「私たちはそこまで時間を進めておく必要があるのよ」
「まあ、俺はもう覚悟しているから大丈夫だ」
「あるいはラヴォスを倒すのか。選択の時間だよ、クロノ、マール、ルッカ」
聞き覚えのある声、三人はその方向へ向く。
「あの短時間でまた新しい未来ができたんだ。
どうな未来か僕にはわずかしか分からないけど、さあどうする?」
突然の来肪者―少年の言葉に、三人ははじめになにを言っているのか理解できなかった。
「忘れたの? ラヴォスゲートだよ、ラヴォスゲート。
君たちはあのゲートがある限り、いつでもラヴォスに挑めるんだよ?」
「新しい未来って……」
「この世界には無数の可能性がある。
君たちがいつラヴォスを倒し、いつ世界を救ったかによって未来は変わるんだ。
君たちが物語を進めないでやっていたらこうなっていたかもしれない未来。前に、君たちが倒せなかったその瞬間に、もし、ラヴォスを倒せたらこんな世界になっている、って話さ」
「別の未来が見えるってこと?」
「まあ、考え方によってはそうなるね。ただし、これは過去の遺産、いやおまけみたいなものかな」
「おまけ?」
「そう、お・ま・け。
現われた未来が、君たちの未来と繋がっているかどうか分からない。
君たちの選択や他の選択、ほんの少し違っただけで未来は変わる。
ラヴォスを倒して見れた未来が、すぐこの限定された時間の未来でないときもある」
「う〜〜ん、どういうこと?」
「さあ」
話がややこしくなっていき、クロノとマールは付いてこれなくなってきた。
「まあ、分からなくてもいいさ。実際に見てみればいいんだし」
「ここに帰ってこれるの?」
「選択しだい」
そういって少年は姿を消した。
「ルッカ、どういうこと」
「さあ、私にはあまり」
少し理解できた部分もあるが、人に伝えるとなると、伝えにくくてあえてルッカははぐらかした。
「まあ、実際見てみればいいって話だからね。どうするクロノ?」
「まだ、ラヴォスを倒すのは早すぎると思うんだ」
クロノはあくまで慎重にと考えていた。
「まだまだ先はあるから」
「でも、見てみたいな」
「そう?」
「だって、違う未来だよ。どうなっているのか面白そうじゃん」
「いやいや、とりあえず裁判を受けに行こう」
「ま、まあ、そこまでクロノ言うんだったらいいけど」
「ごめんマール」
「いいよ、ちょこっと興味があるってだけだから」
「……話はまとまった? お二人さん」
「ルッカ!!」
驚いて、マールがベンチから飛び上がる。
「じゃあ、私は二代目ゲートホルダーや、
この先に使えそうなものの案があるから、それをつくり終えたら助けに行くわ。
じゃあ、ちょっとは周囲を気にしながらエスコートしなさいよクロノ」
「ルッカ!!!」
「あはははは、じゃあ、ねぁ〜〜」
そう言い残し去っていった。
しばらく黙るマール。
「じゃあ、いこっか」
「うん」
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